夏の尾瀬 尾瀬沼散策 2023.7.17-18

初めて尾瀬に行くという事で、高速バスに乗ってやってきたのは大清水である。

 

時刻は11時前。もうすぐお昼ということもあって、歩き始めから汗が吹き出してきた。そして延々と続くであろう長い砂利の坂道。

一体何故こんな猛暑に坂道を上っているんだ…?本当に何故… と、ボソボソとぼやきながら歩く。

 

往々にして、登山の出だしはこんな事が多い。特に最初は全く元気ではないのだ。

 

そんな私に追い討ちをかけるように、登山者を乗せたワゴン車が軽快に横を通り過ぎて行く。ああ、無情… 私はそのままトボトボと歩いて行った。

 

 

 

砂利の坂道を70分歩き、一ノ瀬を通過するとようやく登山道になる。

ゴォーっという音と共に沢の水が森の中を駆け抜けて、さっきまでの暑さが嘘のように涼しい。

 

涼しくなると途端にやる気が漲ってくる、というのも山行中はよくある事だ。

 

 

水が豊富だからか地面がぬかるんでいた。転んだら大変。滑りそうな石や、木道が濡れていたり朽ちていたりと足元には注意が必要だ。

そして水辺から離れると再び暑さがやってきた。

 

 

森の隙間から見上げると、いかにも夏ですと言わんばかりの空だ。まぁ、わざわざ晴れの日を狙って来たのだから、暑いのは仕方がない。

 

 

しばらくゆっくりと標高を上げ、起伏もそこまでなくなってきた頃、気温が下がってきた。

 

苔も元気

 

 

木々の間から尾瀬沼が見えた時は、「見えた〜!」と、声をあげた。

 

 

尾瀬沼は思っていた何倍も大きかった。そして、そのすぐ側にそびえる燧ヶ岳はどっしり青々としている。

やはり実際に来てみないと分からないものだ。地図や写真を見て想像した風景のイメージなんぞ、悠々と超えて来るのだから。

 

巨大な植物もある

 

 

一旦宿に荷物を置き散策とスケッチへ出かけると、尾瀬らしい雰囲気の風景が広がっていた。

 

木道を歩き、ニッコウキスゲの群生地へ向かう。

 

尾瀬沼と燧ヶ岳

 

 

 

例年だとこの時季はニッコウキスゲの見頃で辺り一面黄色い花畑になるそうなのだが、今年は当たり年ではなかったのか天候のせいなのかはわからないが、パラパラと咲いている程度…。いつか湿原を覆い尽くすニッコウキスゲを見てみたい。

 

咲いている花は緑の中で目立って綺麗だった。

 

スラリ

 

お二人こんにちは

 

やあやあ、カミキリ殿

 

 

可愛い看板だ。オコジョには会いたいが、熊には会いたくない。熊目撃情報は様々場所に掲示してあった。

 

 

散策も終えて山小屋に帰ってきたが、なんだか小腹が空いたので喫茶へ行くことにした。

 

レモンタルトとカフェオレ。

爽やかな味で、とっても美味しかった。他にも美味しそうなマフィンやケーキがあったが、夕飯もあるので我慢だ。

 

ちなみに夕食は、目玉が飛び出るくらい美味しかった。

 

 

2日目

 

早朝の尾瀬沼を見るべく眠い目を擦り、散歩へ出かけた。

 

昨日の昼間とは打って変わって静かな風景だ。朝霧が立ち込めて、まだ陽が昇りきっていないので世界が青い。

写真にそれを収めるべくシャッターを何度も切ったが、肉眼で見た方が綺麗であったのは言うまでもなかった。

 

ひんやりした早朝の湿原の空気や湿度が絵に現れるように、自分の中に取り込む。

 

 

陽が少し出てくると、青が水色に。水色が赤みを帯びて無色に変わって行く。空気はひんやりとしていて植物には朝露が付いて光って綺麗だ。

 

ゆらゆらと水草

 

 

水滴を縁取り、お洒落な葉。漏斗状になっているので中心へ水を集めるシステム?

 

 

水鳥がスイスイーっと水面を滑って行くのをぼーっと眺めていると朝食の時間が近づいてきた。ぼちぼち帰ろう。

 

寝癖だ

 

 

 

朝ご飯を食べ、山小屋を後にする。時間もあるので尾瀬沼を一周しようかとも思ったが、なんとなく熊が怖いのですぐ下山する事にした。

 

 

尾瀬といえば湿原に目が行きがちだが、森も綺麗だと思った。北八ヶ岳のような樹林の向かいには様々な花が咲く湿地帯がある。

 

何故皆んな口々に「尾瀬は良い」と言うのかあまりピンと来ていなかったが、なるほどこれは植物や湿原が好きな人にはたまらないだろう。

 

花火みたいな植物

 

 

最後の最後という所でギンリョウソウを見つけた。少し茶色くなっていたが、やっぱり不思議な魅力がある生き物だ。

 

今回は沢山の植物を見る事が出来た。次はぜひ、水芭蕉も。