ボボボボボ……
私はまたフェリーに乗っていた。行き先は宮島。
乗船すると沢山の観光客が談笑しており、さすが人気の場所だなぁと思いながら揺れる海面を見ていた。
下に目をやると、小さな男の子もまた夢中で海を眺めている。
分かる、分かるよその気持ち。船って楽しいし、段々離れていく景色や海の泡とか幾ら見ていても飽きないのである。
あと、着岸する時に衝撃止めの巨大なタイヤが岸に付いていて、ボッ…ヨーーーンとなったのがとても良かった。(いいものを見た)
今日は島内にある弥山に登る。ほとんどの観光客はロープウェイで山頂近くまで行ってしまうが、我々は紅葉谷ルートで一番下から頂上へと向かった。
3月半ば、もうかなり暖かく日差しが強く、海に囲まれている山という事もあってか湿度もそれなりにあった。
また、前回同様こちらの島山の植生は似ていて大きなシダや低木の常緑樹が目立ち、山は既に緑で覆われていた。
森の中にはゴロゴロと大きな岩が点在している。いや、大きな…というよりも巨大なと言った方がいいかもしれない。
時々、その近くまで行って「ほうほう…」と岩肌を確かめながら進んだ。
常緑樹のオンパレードだ
しばらく登っていくと大きな木は徐々に低くなり、隙間から海が見える場所に出た。
ちょこんと小さな円錐形の島や平べったい島があったりして、明らかに目が喜んでいる感じがする。
こちらの海はに必ず島が浮いていてそれが普通なのだろうが、まだ見慣れぬ景色を眺めては顔がほころぶのであった。
そうこうしているうちに、ロープウェイから降りた人々と合流し、一気に人が増え始めた。
もう山頂が近いのだろう、登ってきた山肌が見える。
特徴的な巨岩の門をくぐると、広くて立派な山頂に出た。
綺麗な見晴らし台には屋根もあるので日陰が心地いい。しかしまあ、汗だくだったのは我々だけだったような気もするが…。
山頂周辺は巨岩が積み重なっていて、要塞のようである。アクティブな人々は岩に登っていたが、私は怖いので記念として低めの岩に乗っておいた。
乗りやすそうな岩だ
山頂周辺でのんびりしていると鹿がおり、なんだか妙な鳴き声で鳴いていたのが印象的だった。
人間を見る鹿
綺麗な割れ目
下山は大元コースで帰る。
だいぶ日が傾いて来てしまったが、山に当たる光の加減が変わると木の見え方も変化するので面白い。
とんがり島はずっと見えている
どでかい岩の上から見下ろした町並みは、こうやって改めて見ても海と山がこんなに近くて羨ましいなぁと思うのであった。
登山口に戻ってくる頃にはすっかり夕方になってしまった。そして、何匹かの鹿が山の方へスタスタと帰って行く。
…と思ったら、山へは帰らない町派の鹿もいたので、鹿界も様々のようだ。
集合する鹿達。何を食べているやら…
二日目は、のんびりと宮島観光をした。厳島神社の大鳥居が周辺の山々や青い水に映え、とても荘厳な雰囲気であった。
眠い鹿
スヤスヤ
脚の折れ方が気になる
鹿と戯れた後は、少し高台に登ってアセビの花が咲くアセビ歩道を散歩。ここには観光客はほとんどおらず、静かに散策を楽しんだ。
出来立てのもみじ饅頭で一息ついたり、宮島のマグネットも買えて大満足であった。
買ったマグネットは冷蔵庫に貼ってある。
牛乳を出す時や野菜をしまう時、そのマグネットを見るとこの日を思い出せるので良いのだ。