次は冬に会おう、なんて言っていたのにすっかり春になってしまった。
仲の良い友人に対してなんだか申し訳ないような気持ちと、会えて嬉しい気持ちが交錯する。大好きな山にまた会いに来てしまった。
今日はよく晴れていてスケッチ日和である。
きっと少し前までは、まだ新芽が出たばかりで緑も濃くなかったと思うが、既に初夏を思わせる色だった。
一口に緑と言っても様々な緑があるのだ。この日も広葉樹の緑が目を楽しませてくれた。
登山道に入っていくと序盤はやはり倒木が目立つ。そのトンネルをくぐって、先に進む。
細い板の上を渡るのは少々怖かったが、意外にもそれは頑丈だった。
何度となく見た景色だが、同じような場所で写真を撮っている気がする。
岩の配置が微妙に変わっても大まかな地形と幾つかのシンボルがあるので、お気に入りの場所では写真を撮ってしまうのだろう。
岩の上に落ちる木漏れ日が綺麗だった。
ムクムクとした物
良さそうなケルン
いつものように沢沿いをフラフラと歩きながらスケッチする場所を探していると、いつの間にか本棚まで来てしまった。
この滝の近くは涼しくて気持ちがいい。
木橋の位置も毎回微妙に違っている。増水で流される度、整備してくれているのだ。本当にありがたい。
お気に入りの岩を見つけたので、岩を端に置いた構図でスケッチをした。いつも山に行くときはペンのみで描くのだが、今回はペンではなく鉛筆と水彩絵の具で描いた。
紙にペンを走らせる感触とは異なり、鉛筆はまた違った心地良さがある。
下描きを大まかに終え、透明水彩で彩色した。
もし山でスケッチをすることがあれば、消しゴムは「ねりゴム」を使用した方がいいだろう。これは、消しゴムのカスを山に落とさない為である。ねりゴムであれば消しカスは出ない。少しでもゴミは無くした方が山の為である。
また、絵の具を使うには水が必要である。沢の水を汲んで使用するとしても、必ず密閉性のある筆洗を用意しよう。
個人的には小さいペットボトルを使用しているが、これならペットボトル内で筆を洗ったあとも蓋を閉めればこぼれることはない。
そして絵の具の成分には鉱物や化学物質が含まれているので、そのまま家に持ち帰るのだ。
もしくは水筆(筆本体に水が入れられて少しずつ水を出して使用)というものがあるのでそれを使ってもいいかもしれない。
洒落た模様