緑の頃、花咲く檜洞丸 2018.5.11

 

5月半ば、西丹沢の檜洞丸を歩いてきました。

 

刻々と変化する季節の中、山では新緑が少しづつ深い色に変わり、沢山の花が咲いていました。

 

 

 

【 コースタイム 】

 

西丹沢VC 9:55 - ゴーラ沢出合 10:50 - 展望園地 11:45 - 檜洞丸山頂 13:30 - 13:53 - 展望園地 14:50 - ゴーラ沢出合 15:35 - 西丹沢VC 16:10

 

 

この山に登るのは二回目。初めて訪れたのは2017年の冬です。冬からは想像できない程、華やかな檜洞丸でした。

 

 

 

ビジターセンターから、ツツジ新道へ。

ここから見る丹沢の山々は、すっかり夏仕様。青々とした緑の山が連なっていました。

 

 

木々の緑が茂る道は、木漏れ日が差してきてとても綺麗。気持ちのいい登山道です。

 

 

横を見ると木の幹が、三角形のようになっていました。

幹でできた二等辺のフレーム越しに向こうの山が見える。そして、その三角も山の形のようで思わず撮っていました。

山行中の写真の中でも、気に入っている一枚です。

 

 

ねじねじ。枝に蔓が巻きついて一体化したのか、これ自体が蔓なのか…。

とにかくねじり具合が美しく、潔い。

 

 

ゴーラ沢は以前来た時よりも水量が増していました。

細い丸太橋をトレッキングポールを使いながら渡りましたが、足場の丸太は細く、グラグラしているので結構怖かった…。

渡渉が苦手であります。

 

 

対岸の階段を上がり、とりあえず展望園地までひたすら登っていきます。久々に来たのと、季節が違うので道の印象が以前の記憶となかなか合致しません。

 

 

透けた葉が綺麗だ。

葉と葉が重なったところは濃くなり、シルエットになって見える。別に大した事ではありませんが、その重なり方がそれぞれ異なるので面白いし、綺麗なのでしばらく見ていました。

 

 

木々のトンネル。抜けた先の緑が光っています。

 

この日はとても暑く、快晴ではないけれどなかなか日差しが強かったので、この辺りですでに汗ばんでいました。

 

 

少し日陰の坂の途中、先を行く方が何やらしゃがみこんで写真を撮っていました。声をかけると、「ほら、ギンリョウソウですよ。」と教えてくださいました。他の方の山行写真などでは見た事がありましたが、実際に見たのは初めてだったので、とても嬉しかった。

 

少しだけ透けた白い葉や花は、美しく不思議で蝋のような質感にも見えました。

 

 

赤い新芽の低木。なんという名前だろう。

 

植物はとても好きですが、道端に生えている草木が多少わかるくらい。

山を歩いていると、普段は見かけない植物が生えているので、やはり自分でも名前や生態くらいは知っておきたいと思うようになってきました。

草木や昆虫、気象など自然の事をよく知るという事は、とても素敵な事だと思います。

 

先日、山の植物図鑑を買ったので今後は調べながら歩いてみよう。

 

 

この辺りから、ちらほらとツツジが現れはじめ…

 

 

展望園地を過ぎ、中腹から上の方には見頃を迎えたシロヤシオが可憐に咲いていました。

 

 

シロヤシオの葉もまた、花に負けず劣らず美しい。

 

葉が薄く、淡い黄緑色で葉の先端の尖った部分のふちだけが、ほんのり赤くなっています。なんて洒落てるんだ。

 

 

向こう側の斜面のあの部分だけ岩肌がむき出しになっています。出ている形がなんだか格好よかったです。

 

 

振り返って新緑の中に目をやると、木漏れ日の下に可愛らしいツツジが咲いていました。

 

先ほど見たツツジよりも若々しい。

 

 

と、思ったら、こっちにもツツジ、あっちにもツツジ!

 

そしてシロヤシオ!

 

 

派手さはありませんが、白くて品のある花だ。

 

 

見上げては、シャッターを何度も切っていました。

 

 

登山道の下の斜面にも、ツツジとシロヤシオが咲いています。山の下では初夏でも、山の上の方はこの時はまだ春だったんだな。

 

幹の隙間から見え隠れする葉の色は、下で見た時よりも淡く優しい緑で、そこにツツジのピンク、シロヤシオの白が加わり、なんだか穏やかな光景でした。

 

 

シロヤシオの花に見入っていると、毎年登っているというおじいちゃんが、「今年はね、去年よりもいいよ。」と教えてくれました。

おじいちゃんも微笑んで、なんだか嬉しそう。

 

花が見れたらいいなぁくらいの気持ちでしたが、いい時に登ったんだ、と自分の顔が少しほころんだ気がしました。

 

 

檜洞丸は、山頂からよりも少し下の方が見晴らしが良く、雄大な富士山を見る事が出来る。

木道に入る前の階段あたりで振り返るのが、個人的には好きです。

 

この日は少し霞がかっていましたが、それでもやっぱり富士山は立派で足を止めて眺めてしまいました。

 

 

富士山と少しお別れし、木道へ。

 

冬に来た時は、あたり一面真っ白でとても静かでしたが、5月はこんなにも多くの植物が生き生きと成長している事に驚きました。

 

 

木道の脇に生えているのは、バイケイソウ。こんなにびっしり生えていると、圧巻です。

花が咲く頃になったら、また綺麗なんだろうな。

 

 

私はこの木道がとても好きなので、この日、爽やかな緑の中を歩く事が出来て嬉しかったです。

 

 

それにしても、バイケイソウの葉はスジが深く特徴的な形をしています。これは描きたくなる葉だ…。描こう。

 

 

山頂に到着。 平日とはいえ花の開花時期だったからか、かなりの人数の方々が休んでいました。

 

 

山頂からの富士山は、木々に隠れて裾野までは見えません…。

 

周辺を散策した後、ササッとご飯を食べて下山です。

 

 

山の稜線が眼下に広がります。真ん中に見えるのは、丹沢湖でしょうか。

 

 

帰り道、登山道の脇に特徴的な植物が生えていました。

 

なんという植物だろう?と思い調べてみたものの、ミミガタテンナンショウなのか、マムシグサなのか…よくわかりません…。とりあえず、このテンナンショウ属は沢山種類があるらしい。

そして、これらの属の球根や実は毒がある為、食べてはいけない!とのこと…。

 

微妙な差異しかない草木を調べて特定するのはなかなか難しいですが、属性や特徴が分かっただけでも一つ勉強になりました。絶対に食べません。

 

 

今回は、沢山の花と植物に出会えた、5月の檜洞丸でした。次は、葉が色付く頃に行きましょう。