8/15(火)
2日目
朝4時に起床。朝ごはんも、もりもり食べて体調も良い。同じ部屋だった方々は、黒部五郎方面へ向かわれました。
●コースタイム●
太郎平小屋 6:00〜薬師沢小屋 8:40-9:00〜木道末端 11:50〜雲ノ平山荘 13:45
6:00 太郎平小屋 発
昨日と同じような曇り空。
しかもこの日は午後から雨マークが付いていた。
頼むから雲ノ平の楽園を楽しませておくれよ、と空に念じて歩いていきます。
振り返って、小屋を眺める。
薬師岳にも登ってみたいので、また来ます!
スカッとしない天気。
木道の周辺には植物が群生している箇所があり、なんだかこの花が一際きれいに見えました。先端がパチパチしている。弾けているような、そんな印象。
名前が全くわからなかったのですが、シモツケソウという高山植物らしい。教えていただきました。
木道を歩いていると、すれ違った方から「薬師沢からの登りはとても滑りやすいから気をつけてください。」 とのこと。
しかしこの時は「よし、気をつけるぞ。」ぐらいにしか考えていませんでした。
さらに歩くと、いい感じの森が登場。こういう森、好みです。近々絵に描こう。
8:40 薬師沢小屋 着
9:00 発
予定の時間より、少し遅れて到着です。
少し休憩したのち、ギーギーと揺れる吊り橋を超へっぴりごしで渡ります。
渡りきって一安心かと思いきや、沢へ降りるほぼ垂直のハシゴが現れました。
け、結構高い…。
あぁ…これがよくブログとかで見るハシゴか…。知ってます。写真で見たことありますとも。高所恐怖症ではありませんが、ビビりの私には最初の取り付きが怖かったです。
無事、沢に降りることができて一安心だったので、沢の風景を見たり「雲ノ平への道はどこかなー?」とキョロキョロしていると、白地に赤い文字で「雲ノ平 直登」の立て札が目に飛び込んで来ました。
札の指し示す方に目をやると、やな予感。
これか!これがあのお兄さんが言っていた、気をつけろ!!という言葉の意味は…!
ゴロゴロと大きな丸い石が積み重なった道は、トレッキングポールも役に立ちません。
前の人が歩いたであろう、苔が無い石を選んでよじ登っていきました。
多分もっといい歩き方があるんでしょうが、集中して慎重に登っていくほかありませんでした。
それにしてもみなさん、早い。しかし、焦っても仕方ないので、安全に自分のペースで進みます。
もう、この辺から写真を撮る余裕がなくなり、完全にザックの中にしまってしまいました。
しばらく登っていくと、少しスペースがある場所に出ます。
まだ、樹木が生い茂って、湿度も高い。修行だと思って登り続けます。
言うなれば、ドラ◯エのマップ上の毒ゾーンをずっと進んでいるイメージ。
ズッ!ズッ!…みたいなあの効果音が頭の中によぎります。
標高差500mはなかなか手強かった。
でも途中、岩陰から15cmくらいのカエルがビヨンと飛び出してきて、ちょっと和みました。ありがとうカエル。若干のHP回復です。
11:50 木道末端 着
一度も転ぶことなく、なんとか無事に木道の端までたどり着きました。
もうここからずっと木道かと思っていたのに、また、ゴロゴロ石ゾーン。登りこそないものの、なかなかハードモード。うぅ…。
どーん!やっと開けました。が…
これが、あの雲ノ平…?
あんまり見えない…。
ガス、ファサァ〜〜
池塘を見て少しテンションが上がる。
しかしこの後、雨が降り出してきてしまいました。あーあ。
13:45 雲ノ平山荘 着
薬師沢からの登りで苦戦してしまったので、予定より45分もオーバーして到着です。
テン泊予定だった方も、何人か小屋泊まりに変更されているようでした。
そして、雲ノ平山荘はとても快適で雰囲気の良い山荘でした。
布団も1人につき1枚。しかも空いているスペースもあるほど。休暇をズラして良かったな…。
また、同じ部屋の方々や、散策中に会った方とも色々とお話ができて、楽しいひとときでした。
その後も雨は降ったり止んだり。
風がないので雲が流れて行きません。
しばし、散策タイム。
ふと見ると、おじいちゃんが外のベンチでネクターを飲んでいます。
それを見ていたら、なんだか私も無性に飲みたくなってしまいました。さらにこの後、ぶどうジュースも飲みました。プハー。
この日も早めの就寝だったのですが、部屋の外がなにやら賑やかに。
「星が出てる!星、星!」
同部屋にいた5人全員が起きて、外に星を見に行くことに。
夕方までの天気からは考えられないほど、星が輝いていました。
山の天気は、本当にコロコロ変わるんだなぁ、と改めて感じた夜でした。いいものが見れて良かった。
3日目 8/16(水)
あれ、昨晩は晴れていたのに…と空を見てがっかりの天気です。
この日の予報も曇り後雨。
結局、雲ノ平は霧に覆われた白い世界しか見られませんでした。
●コースタイム●
雲ノ平山荘 6:00 〜 三俣山荘 10:45-11:35〜三俣蓮華岳 13:08〜双六小屋 15:45
6:00 雲ノ平山荘 発
今日は、黒部川源流を経て、三俣蓮華岳、双六岳へ向かいます。
咲き終わったチングルマ。水が滴ってきれい。
これはこれで、きれいなんですが、少しでもいいので晴れ間が見たかったです。
木道は濡れていて、ちょっと滑りやすかった。
雪渓が出てきました。
この辺りで一瞬晴れたんですが、すぐにガスの中…。
まだ、咲いていてくれたチングルマ。初めて咲いているところを見ました。嬉しい。
少しずつ、源流に向かって下り始め、次第に足元はガレ場になっていきます。
8:26 雪田通過
雪渓のトンネル。空洞のえぐられ方が独特で面白い質感。
雪田が終わると、神経を使う下りのガレ場に。
手を着かないとうまく下れませんでした。
ここでも、後ろからきた方には抜いていってもらう。もう少しスムーズに下りたいものです。
少しガスが晴れて、山荘が見えました!
きっと三俣山荘だ!と期待値が上がるも、いや、まてよ。今下ってるし。あそこまでまた登り返すのか…と悟った瞬間、テンションが落ちていきました。
ガーン。
なんとか下りきって源流、徒渉点に到着。時刻記録し忘れ、到着は多分9時過ぎ。
心配していた水量も問題なく、渡ることができました。
10:45 三俣山荘 着
11:35 発
うーむ。遅いです。
予定なら11:00にはここを出発していなければいけないのですが、行動食はあるものの、暖かく、人が作ったものが食べたい…!(自分で作るのが面倒くさい)
というわけで、食堂へ、ゴー!
店内は温かみがあって窓から見える景色がよい。
麓は見えていますが、上部は見えませんでした。
食事は本当はオムライスが食べたかったですが、残念ながら売り切れだった為、うどんを選択しました。
ウドゥン。
太郎平小屋のラーメンに引き続き、染み渡る美味しさ。
結果的に汁物を摂取したおかげで体がポカポカしたし、体力がかなり回復しました。
外に出てみると、少し雲が流れて山の一部が見えてきました。
荒々しくてかっこいいなぁ。
さあ、三俣蓮華岳へ向けて出発します。
雪解けの小川に癒され、テン場の横を通り抜けて進んでいきます。
大学生のグループが沢山いました。みんな楽しそう。
地道に登る。
ところどころに残雪があったり。
振り返ると、鷲羽岳が!
本当に羽を広げてるようで、思わず、おお〜!と声に出してしまいました。
いやぁ、でも、ここまでは良かったんです。ここまでは。
朝から雨にも降られず、鷲羽岳も見れた。
しかし、次のシーンはもう山頂。
なぜでしょう。
そう、答えは1つ。天候悪化です。
鷲羽岳を見た後、すぐに雨が降り始め、風も次第に強まってきました。
しかも、そのあたりから岩&ザレた感じの勾配のある道に変化してきた為、足の置き場に難儀しました。ズザザッ!とならないようにおじさんの歩く場所を観察し、なんとか登りきりました。
少し前を先行していた、ご夫婦が視界にいたからなんとか踏ん張って登ってこれました。
13:08 三俣蓮華岳 着
山頂に着くと先ほどのご夫婦が、「しんどかったなぁ。」と声をかけてくださり、聞けば行き先は同じ双六小屋。
「山頂には行かれますか?」と尋ねると、「いやぁ、もう巻くよ。どうせ何にもみえないしな。」と巻道へと進んでいかれました。
この時既に私の脳裏には、「おじさんの言う通り、この天気で双六岳の山頂へ行っても、槍ヶ岳も見えないだろうし、コースタイムも1時間以上オーバーしている。もう巻いてもいいのでは…」という考えが浮かんでいました。
そして眺望もなく、真っ白で雨が降っている山頂ほど、長居はしたくないものです。
行動食を少し口に入れ、すぐに出発。
とりあえず、山頂に行く可能性も残す為に中道&双六岳方面への道を進んでいました。
でもなぜか、中道からでも巻道に合流できるという勘違いをしており、進んでいたのはもう中道真っ只中。当然巻道に戻るには来た道を登り返さなくてはいけません。
なかなかの風と雨の中、それはもうしんどい…ということで山頂には行かず、中道で進むことにしました。
雲ノ平から同じような行程で顔を合わせていた若いご夫婦は、頑張って双六岳へ向かっていきました。
この時点で、ピークは三俣蓮華岳しか踏んでおらず、3泊4日もいるのに1ピークか…と少し落ち込んでいると、
んんん?!
なんかいるーーー!
ぬっ。雷鳥が現れたーー!!
本当にぬっと出てきました。岩そっくりで本当にわからなかった。しかも雄です。
去年の立山三山縦走の時、別山で見かけたのはお母さんとヒナたちでした。
やっぱり悪天候の時に出てくるんだな…と感心していましたが、いや、あの…そこ登山道のど真ん中なんですよ…。
雷鳥さん、ちょっとすみませんよ。
驚かせないようにゆ〜っくり近づくと、ててて、と移動してくれました。
爪を使ってワシワシ登っていきます。器用だねぇ。
「ポポ?」とでも言いたげな傾げ方。
いや、鳴いてないですが。
去年あった雷鳥はヒナに対して「ポポポポ…」と鳴いていましたがこの方は鳴きませんでした。
雷鳥に別れを告げ、双六小屋へと向かいます。
標準コースタイムだと、三俣蓮華岳から2時間ほどで小屋へ着くらしいのですが、なかなか着かない。そんなに速度が遅いのか…
結局山荘に着いたのは、15:40。1:40もオーバーです。
地味に最後の小屋までの激下りが辛かった。テンポよく、かつ安全に下る技術が必要だと感じました。
小屋の戸を開けると、見覚えのある顔がちらほら。
雲ノ平から三俣山荘間でちょこちょこ話しをしていた関西からこられた陽気なご夫婦。
さっき三俣蓮華岳で会ったご夫婦。途中で先に行ってもらったおじさん。
ソロでテン泊装備のかっこいいお姉さん。
「あ、無事着いたかぁ〜!」と声をかけてくださり、なんだかホッとして気が抜けていくようでした。
双六小屋は17日の平日ということもあってか、かなり余裕がある宿泊状況だったようです。
私が泊まった部屋は単独の女性1人のみ。そこそこ広い部屋を2人で使うという贅沢さです。夕食時もワイワイと話が盛り上がり、とても楽しい夜でした。
最終日 8/17(木)
4時起床。
朝ごはんが4:45〜と早い時間だったので、食べ終えてから日の出を見ることにしました。
この日は4日間の中で唯一の晴れ!でも午後からは下り坂の予報でした。
晴れているし、レンズ雲を初めて見たのではしゃいでいると、レンズ雲=天気が崩れる予兆だそう。ほほう、知りませんでした。
レンズ雲に朝日が当たってピンク色に。
隣でおじさんが、「マシュマロみてぇだな!!わはは!」と言って笑っている。なんて平和な朝だろう。
そして、ピカーーー!
おはようございます。いい朝です。
小屋の周りはこんな景色だったのか、と周囲を見渡しては、シャッターを切る。
こんもりした山容に朝日があたります。
5:45 双六小屋 発
ここ何日かですっかり顔見知りになった関西からのご夫婦と、テン泊していたお兄さんの4人でパーティーを組んで新穂高温泉へ下山を開始しました。
振り返って双六小屋。過ごしやすくてとてもいい所でした。
双六岳登頂をリベンジしなくてはならないので、また必ず来ますよ〜。
4人とも同じ日程で折立から入山していたので、最終日のこの晴れは、みんな本当に嬉しかったと思います。
関西のご夫婦の掛け合いが本当に楽しくて、下山中ずっと笑っていました。
ご夫婦は私と同じく、三俣蓮華岳しかピークを踏んでいなかった為、途中、弓折岳に行こう!という事になりました。
そこへ向う途中、眼下に槍ヶ岳と穂高の山々が!
イヤッホ〜!!
もう、槍ヶ岳なんてこの山行では見られないと諦めていたので、本当に嬉しかったです。
いやぁ、しかしトンガっている。かっこいいですね。
雲海も出ていて最高です。
4日間で一度も自分を撮っていなかったので、影だけでも…と自撮り。
夏草に朝露が落ちてキラキラしています。
快晴とはまさにこの事。嬉しい。
ベンチの周りを蝶が何匹も飛び回っていました。
7:07 弓折岳
弓折乗越に荷物をデポし、弓折岳へ。
こんもりした可愛らしい山頂でしたが、記念すべき4日間で2つ目のピークを踏めました。もし、一人で下山していたら絶対にスルーしていたと思います。
こんな天気で稜線歩きが出来たらどんなに楽しいだろう。
最後の最後で晴れてくれたので、今までの苦労も吹き飛んだ気がしました。
ものすごい巻き返し。
いい気分で下っていくと、小さく鏡池が見えています。
ここから見る限り、めっちゃ鏡になっている!!
「雲に追いつかれる前に下るで〜!」と気合を入れてもらい、頑張って下っていきます。
7:50 鏡平山荘 着
8:20 発
カキ氷です。
氷がフワッフワでものすごい美味しかった。今年初カキ氷。
そうこうしている間に、いい感じに雲が流れてきたので急いで鏡池へ。
これが見れたので、もう満足。3日間の悪天候が無かったことになるくらいの鏡っぷり。
そう、終わりよければ全て良し!
9:41 秩父沢出合 着 冷たーい沢の水を頭にかけてクールダウンしたり。
9:54 発
10:55 わさび平小屋で乾杯!
12:03 新穂高温泉に無事下山。
わさび平小屋から地味に舗装路が足にきて辛かった。
下山して思ったのは、一人ではこんなにスムーズにここまで来れなかったということ。多分もっと中だるみし、途中立ち止まる事が多かったと予測できます。
しかし今回は、一緒に下山したお三方のおかげで自分の能力+αのペースを保ち、良い感じにスピードアップできたのだと思います。
また、進むペースや気が合えば複数パーティーも楽しいものなんだな、と感じた山行でした。今はほとんどが単独行ですが、単独7割パーティー3割くらいで増やしてみよう。
秋はどこにいくかな。